ピクセルアートの世界
ドット絵という言葉でも馴染みの深いピクセルアート。
11月の絵画教室の課題として満を辞して登場です。「満を辞して」というのは、以前も何度か絵画教室の課題としては候補に上がっていたからです。なぜその時は採用に至らず、今になって採用になったか
は、簡単にいうと「時代」かな、という気がしています。ここではがっきー社長が捉えるピクセルアートについてのお話をいたします。
アート?
「ピクセルアート」と「ドット絵」は基本的に同義だとされていますが、「ドット絵」の方がしっくりくる気がします。「ピクセルアート」はピクセルを使った芸術表現、といったイメージがあって、それは正しいといえば正しいのですが、過去に登場したドット絵の魅力を再発見した新しい人たちが名付
けたんじゃないかな、と思うわけです。
ゲームの世界で登場
「ドット絵は、主に黎明期から1990年代前半にかけてのパーソナルコンピュータ(パソコン)もしくはコンシューマー向けゲーム機で、もっともよく用いられた表現形態」とされています。実際には1983年にファミリーコンピュータが登場し、同時にリリースされた「マリオブラザーズ」あたりで認知されたように思いますが、70年代のスペースインベーダーもドット絵ですね。
厳しいレギュレーションの上に成り立つドット絵
年代、当時は画面の解像度や発色数、CPUの処理速度などのハードウェア的な制約から、今のような3D表現ができなかったため、やむなく限られた解像度・色数などでグラフィックを表現する必要性がありました。任天堂の「マリオ」のグラフィックに許されたピクセル数は16×16個だったといいます。当時の制作者はこの数で人型を表現するのに苦心したようです。7ピクセルの高さを使って顔を描き、残りを体に充てました。目鼻を描くと顎まで2ピクセルしかなく、1ピクセルで髭、のこり1ピクセルで顎を表現し、髪の表現もあきらめて帽子にしたそうです。また、動きを表現するため、腕と体の色が違って見えるようにするため、オーバーオールにした、ということですから、何もかもハードの制約から導き出された結果だったわけです。
マリオのグラフィックは16×16ピクセルで描かれた
(参考:https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/smnj/vol1/index2.html#list)
キャンバスはブラウン管
もう一つドット絵の奥深さを考える要素としては、このドット絵が登場した時、世の中の画面はブラウン管だったということです。解像度が低いということもありますが、画面上で発光する画素のエッジがぼんやりしていて、隣接するドット(あるいは背景の色)と微妙に混じるのです。これがブラウン管独特の「にじみ」で、当然この自然な「にじみ」を前提としてドット絵が作成されていました。このようなドット絵を、ブラウン管で表示すると実際の解像度よりも高い解像度で表現されているように見えるのです。これは見る人間としての感性が生かされるため、高度な表現技術と言えます。逆に同じデータで液晶などの画素の境界がはっきりした画面で表示すると雰囲気が変わってしまいます。英語のドット(dot)は本来「点」や「水玉」という意味であることを考えると、本来四角のピクセルが、ブラウン管のにじみにより丸く見えたことからドットと呼ばれるようになった、という説があるといいますから、感慨深いものですね。
ドット絵キャラクターの良さ
ちなみに、わたしの好きだったファイナルファンタジー5、6というゲームでは、まさにこのドット絵のキャラクターが動き回っていました。今のようにキャラクターに声優さんが声を当てているわけではなく、主人公たちの取り巻く物語はすべて画面下に表示される文字で表現されます。また、キャラクターも走ったり剣を振ったりするモーションの他は目を瞬かせたり、ちょっと俯く、といった動きしかできません。でもその限られた表現には嫌味がなく、ない情報は見ている側で脳内補完することができたのです。時は流れ、社会人になったがっきー社長は「ファイナルファンタジー13」をプレイしました。本物のように美しい3Dグラフィックでキャラクターが描かれて、キャラクターボイスは非の打ちどころがありませんでしたが、リアルすぎて感情移入できず、途中でやめてしまいました。今もお蔵入
りです。この感覚はなんでしょうね。
新しい世代のつくるドット絵
ということで、ドット絵を表現するには、ドット絵に向いた絵柄を考案して、実際のドットでの表現を模索し、かつにじみを意識した色の配置を考える、といった高度な技が必要に思えたことから、ドット絵課題を絵画教室でやるのは難しいのではないかと考えていた次第です。
ところが、今回スタッフから上がってきたのはシンプルに可愛い絵を描き、影をつけるといったものでした。「いやちょっと待ってよ、それドット絵と違くない?」と思ったのですが、ふと周りを見るべく検索をかけると、世の中はいつの間にか少ないドットで表現するイラストを自由に楽しむ世界になっているではありませんか。「これでいいのか? …まぁこれはこれでいいか。」というジェネレーションギャップを受け入れたような感覚で、今回絵画教室の課題になりました。
実際にやってみると、光の当たり方や陰影の付け方を学ぶにはとても良い題材であることがわかります。また、ドット絵風に色数も制限することから、色のまとめ方もなんとなくつかめます。しかもそれをアナログな手法で表現するという不思議なことをやるのも面白い。今を生きる我々としては、いろんなことを前向きに捉えて楽しむことが必要なのかな、と思わされた次第です。みなさんもぜひトライしてみてください。
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10月の課題
「月を描こう」
10月はまんまるの満月を描きました ! 月にはやっぱりうさぎのイメージが強いようで、約9割の子が月とうさぎを描いてくれました。クレーターや影をしっかり描いて、迫力のある作品になりましたね ! 同じ満月でも色づかいによってみんな違った雰囲気になりました。
紫色の空と木が生い茂った様子が絵本のよう♪
月の中に描かれた星がアクセントになっていて、素敵です !
うさぎのシルエットと遊んでいるようで楽しそうです!
月から遠くに見える地球に想像力を掻き立てられます。
夜空を緑色で描いていて、優しい色合いが可愛いですね。
青系でまとまった、かっこいい世界観になっています。
夜空かと思えば海… !?グラデーションが上手で幻想的。
月に留まらず宇宙を描いてくれました !壮大です… !
●デザイン絵画教室がひらく絵画教室だより〜大人編〜
大人クラスでは、好きなモチーフを好きな画材で描いたり、基礎から学んだり、お子さんと一緒に参加されたりなど、一人一人に合った授業を行っています。
水彩ならではの鮮やかな色使いで描かれています。葉っぱの色が綺麗です。
描くのが難しい石膏ですが、陰影を丁寧に拾っています。
いろいろな画材でりんごに挑戦!ツヤや質感が上手に表現されています。
●最近のできごとぽろぽろ
カーテンつけました
絵画教室の入り口にカーテンをとりつけました。夕方の西日がまぶしい ! ということはもうありません。より集中して絵を描けるようになりました !
ぼろぼろのiPhone
BGM流し用に使っているiPhone、ボタンもすっかり陥没して画面も浮いてしまい、もうダメかと思いきやまだ活躍してくれています。iPhoneは丈夫です。
筆文字も書きます
デザインに必要な筆文字に良いものが見つからなかったので、習字道具を広げ書道に挑戦。手書き文字で欲しいものがあれば自分で書きます ! イラストも描きます !
●夏休みスペシャル! 杉並みんなの食堂レポート
10月11日
「鶏丼」
今回は鶏丼(大人はレバーのせ)でした ! 食堂内はいつも温かく安心できる雰囲気です。スタッフの準備やお渡しも流れが安定してきました。遊びコーナーを楽しみにきてくれている子もいるようで嬉しいです!
■スタッフの声■
ようやく過ごしやすい時期になってきました。秋といえば、私は食欲の秋です! ( 佐久間)
「千と希の設計図」バックナンバーはこちら!
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